さわやかな気もちに

 転勤したわけではないが、4月は新しい出会いがあり、新しい準備が必要なので、この1週間はいつも以上に疲れがたまっていった。

 疲れてはいたが、バイクではなく、頑張って自転車でいつもの道を走っていると、遠くの方に、うずくまっている人がいるのが見えた。立ち上がろうとするが、立ち上がれないような感じだった。近づいていったら、今まで何度か自転車で追い抜いたことのある、普段から足を引きずって歩いている方だった。「大丈夫ですか。」と声をかけると、「立たせてください。」とおっしゃった。子どもの介助の経験はあるが、成人の女性だったので、より気をつけながら、「立ちますよ。せーの。」という掛け声で、一緒に立ち上がった。「ありがとうございました。」と言われて、さわやかな気もちなったが、まだ少し心配だったので、「もう、大丈夫ですか。」と確かめた。大丈夫ということだったので自転車に乗って通勤先に向かった。

ゆとりをもって

 疲れていたので、今日は、自転車ではなく、バイクで通勤していた可能性があった。もしバイクだったら、うずくまっている方に気づかなかったかもしれない。同じ道ではあるが、スピードを出しているので、おそらく気づかなかっただろう。私が気づかなくても、誰かが気づけば、立ち上がる手助けはしただろうと思いつつ、みんなが「私じゃなく、誰かが手助けするだろう。」と思って通り過ぎてしまえば、さぞかし不安で、困ったことになってしまうだろう。ひょっとしたら、私が手助けする前にも相当時間がたっていて、とても困っていたのかもしれない。勤務先へ向かいながら、そんなことを考えていた。心にゆとりがないと周りのことが見えなくり、気づかいもできなくなってしまう。忙しいときこそ、心にゆとりをもとうと意識することが大事だなと思った。  



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